ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「私のこと見捨てるんだぁ・・・・・・ひどい」
「何だよ、それ。お前が悪いんだろ。俺がお前のことすきだとか変な勘違いするし、美琴にも何度か嫉妬されたし、面倒だからもういいんだよ」
乱暴にそう言ったあきら君だったけど、私を見る目はとても優しくて。
年下なのに、お兄ちゃんみたいだと思った。
「たまには・・・・・・話聞いて欲しいんだけど。もうだめだよね」
「別に話聞くくらいならいいんじゃねーの?」
長めの前髪を人差し指で耳にかけたあきら君。
ニヤっと笑って、顔を近付けた。
「美琴には内緒にして。結構うるさいから」
あきら君は、美琴ちゃんのこと、好きになったんだね。
今までは、女は面倒だって言ってたのに、美琴ちゃんと真剣に付き合うことにしたってことは、遊びじゃない。
私も応援しなきゃ。
「大事にしなさいよ。美琴ちゃん。やっと本気で好きになれたんでしょ?」
「何、生意気なこと言ってんの?天然バカ処女の優に言われたくねーんだよ」
この心地良い会話がもうできないと思うと、ものすごく寂しくなるけど、仕方がない。
いつまでもあきら君に頼るのは間違っている。