ハニートースト ~カフェで恋したあなた~






「はぁ・・・・・・お前はやっぱり天然バカだな。そんなことしといて、何とも思ってないってありえないよ」



あきら君は大げさなため息をついた。




「思ってないよ。何とも。だって・・・・・・」




そうなんだもん。



片桐さんには好きな人がいる。







「片桐さん、好きな人がいたの。あきら君の予想通りだった。あの写真の人・・・・・・」





「まじで?片桐さん本人から聞いたのか?」





「うん。私にしか話せないって言ってくれて、嬉しいのか悲しいのかわからなくて」





椅子に座ったあきら君は、眉をしかめた。






「ひどくねーか?お前、それでいいの?」




「好きな人がいるのは仕方がないもん」





「そういう意味じゃない。気のある素振りされて、その後にそんな話されても・・・・・・俺的にはありえないんだけど」





真剣に怒ってくれるあきら君は、やっぱりどこか片桐さんに似ていると思った。





でも、あきら君がどうしてそんなに怒っているのか私には理解できなかった。





天然バカ処女・・・・・・だからかな。






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