ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「大学時代の彼女だったんだって。何年も会ってなかったんだけど、手紙が来て・・・・・・今度会うと思う」
「会わないでって言わなかったの?優は」
「言えないよ、そんなこと。言えるわけない・・・・・・」
言いたかったよ。
だけど、私は“妹”だもん。
そして、“片桐さんの応援団”だもん。
「そのままその彼女とよりを戻したらどーすんだよっ!!せっかくそこまで仲良くなれたのに」
もっと早くあきら君に相談しておけば良かった。
私はいろんなことがわかっていなかったのかもしれない。
片桐さんが私にしたことは、本当は“好きな相手”にすることなの?
手を繋いだり、抱きしめたり・・・・・・
「でも失いたくないの・・・・・・」
「気持ちはわかる。つーか、めちゃめちゃわかるけど・・・・・・」
あきら君は両手を握りしめて、コーヒーカップの中を見つめていた。