ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「片桐さん、それはないんじゃないっすか?」
あきら君は低い声でそう言って、テーブルをバンと強く叩いた。
「おい、あきら。どうしたんだよ」
片桐さんはびっくりした表情であきら君の腕を掴む。
「俺、もうなんか・・・・・・優のこと見てらんないっす」
あきら君はそう言って、息を大きくゆっくりと吐いた。
「ちょっといいっすか?片桐さん」
真剣な目をしていた。
あきら君・・・・・・
止めることができなかった。
あきら君と片桐さんが店の外に出て行った。
止めようと思えば止められたと思う。
止めなかったのは、私自身がそれでもいいと思ったからだ。
あきら君はきっと私の話をする。
私が片桐さんのことを好きだと話すかもしれない。