ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「俺、殴っちゃった。片桐さんのこと」
「え?嘘!!」
そんなの知らなかった。
片桐さん、怪我してなかったし・・・・・・
「殴ったって言っても、あの人運動神経良いから、かすっただけだけど」
「あきら君・・・・・・私、バカだからよくわからないの。そこまで片桐さんはひどいことをしてるの?」
「優がそう感じないなら、それでいい。俺は余計なことしたなって今は反省してる」
ウーロン茶片手に目を閉じるあきら君を見ていると、とても高校生には見えなかった。
大人びた表情をする。
「お前の気持ち、バレたかも。ごめん」
「でも、片桐さん気付いてないっぽかったよ?」
「あの人、鈍感だもんな。俺がうまく誤魔化したから、大丈夫かな」
あきら君は、“優にその気があるようなことしといて、元カノのことが好きとか言って、優のこと振り回さないでください”と言ったらしい。
鈍感な片桐さんでも何か気付いたと思うんだけど、あの様子じゃ気付いてないと思う。
「優からは別に何も聞いてないと言っておいた。俺が話を聞いていて、あまりにもひどいと感じただけだと言った。片桐さんは、その気があるような態度を取った覚えはないと言ってたけどな。優海は妹のように大事な存在だとも言ってた。お前にとっては辛い言葉だけど」