ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「俺は、優のことが好きだった。だけど、今はもう好きじゃない。別に後悔もしてねーし、辛かったこともない。だから気にすんなよ」
すがすがしい笑顔を向けるあきら君。
胸が苦しくなる。
「でも、でも・・・・・・」
「何、泣きそうな顔してんだよ」
今までどれだけあきら君を傷つけてきたんだろう。
私、自分のことしか考えてなかった。
「じゃあ、美琴ちゃんは・・・・・・」
「アイツには悪いことしたな。でも、これから好きになれる気がするから、それでいいだろ。優が、変に俺の気持ちに気付いたから、ヤバいと思って付き合った。ひどいな、俺って」
全然知らなかった。
あの夜、片桐さんと飲みに行かずにあきら君と話していればこんなことにはならなかったのかな。
あの日、あきら君はどんな想いで私を送り出してくれたんだろう。