ハニートースト ~カフェで恋したあなた~






勉強の方は、通信教育中心なんだけど、夕方から時々学校へも行くことがあった。




出会いなんてあるわけもなく・・・・・・





「おじさんばっかりだよ。学校は」




「だよね」






カフェを新しく始めたい人のコースは、若い男の人や女の人もいるみたいだけど、私の場合はもう店はあるわけで。




「でも、今のあんたは結構輝いてるよ。頑張ってるって感じがする」




「そう??嬉しい!!」






こうして、いつか忘れられるのかな。




片桐さんのこともあきら君のことも。




いつか・・・・・・別の誰かに恋をして、“あの頃はあんな風だったな”なんて思い出すの?



忘れちゃうのかな。



この苦しいくらいに切ない恋心も。




日に日に、この寂しさにも慣れてきたけど、やっぱり片桐さんへの気持ちは変わらなくて・・・・・・




夢に出てくることもしばしば。



目覚めた時は、涙を流していたり。



会えた喜びで、しばらく布団から出られなかったりしてさ。







とにかく、ただ会いたい。




彼女がいても、結婚したとしても、何でもいいから。




元気な片桐さんの顔が見たかった。






失いたくないって思い続けた結果がこんな風になるなんて。








会いたいな。


元気かな。


今も笑ってるかな。




絵、描いてるのかな。






月の絵・・・・・・完成したかな。





一番に見せてくれるって約束したのに。








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