ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
片桐さんが帰って、私は仕事に戻った。
「あの子、綺麗だったな」
お父さんは嫌味たっぷりにそう言った。
お父さんに話したわけではないけど、私が片桐さんに好意を抱いていることはもうバレバレで。
「あの人、片桐さんのこと好きっぽかったね」
あきら君まで余計なことを言う。
「別に・・・・・・関係ないし」
「関係ないって顔か?すっげー、不機嫌じゃん。しわ、増えるよ」
あきら君は、ワッフルを焼きながら私をからかう。
「本当にあんた、うるさい!」
あ、そうだ。でも・・・・・・あきら君を利用したんだった。
「あ、あのね、うるさいって言ってごめん。あきら君に実はお願いがあって」
私はあきら君の肩をもみながら、さっきの嘘を話した。
呆れたように笑ったあきら君は怒りもせずに言った。
「いいよ。俺も片桐さんの私生活に興味あるし」
「もしかしてあきら君って、男好き?」
「てめぇ、マジむかつく!人が協力してやろうって言ってんのに」
思いっきり頭を叩かれた。