ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「お前、隼人にメールとか電話とかできないの?」
お父さんからそんなことを言われるとは思ってもいなかった。
「知らないもん・・・・・・アドレスも番号も」
「俺、知ってるけど、教えようか」
「いらない・・・・・・」
知りたいけど、直接片桐さんから教えて欲しいもん。
片桐さんと電話かぁ・・・・・・
電話越しの声も素敵なんだろうな。
あのSっぽい喋り方と、その割に優しい声が好きなんだ。
「お前が元気ないのは、隼人に会えないせいだろう」
静かにそう言って、お父さんは熱いコーヒーに息を吹きかけた。
片桐さんにも会いたいけど、あきら君にも会いたい。
あきら君に褒めてもらいたい。
“よく告白したな”って言ってくれるかな。
2人ともに会いたいなんて、欲張りだね、私。