ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
毎日片桐さんのことを考えていた。
私の気持ちを知った片桐さんが今どんな気持ちでいるのか気になって仕方がない。
私のこと、妹として大事にしてくれていたのに・・・・・・
急に女として見ろってのも無理な話だよね。
片桐さんが悩んでいないといいんだけど。
優しいから、いろいろ考えて、疲れたりしてないかな。
片桐さんは相変わらず店に来てくれなくて、あきら君にも会えなかった。
そんな寂しい日々を過ごしていたある日、学校で男の人に声をかけられた。
学校ではひとりで行動している人が多かったので、私も特に友達を作る気もなくて。
ひとりも気楽でいいなと思っていたのだけど。
「隣、いいですか?」
何度か顔は見たことがあった。
パッと見、30歳前後の男性。
スポーツやってました、風な。
爽やか好青年って感じ。
すぐ比べちゃうんだけど、片桐さんとは雰囲気が違う人だった。
「はい、いいですよ」
「ありがとう」
1時間の講義の間、彼は真面目にノートをとっていた。
私は眠気に負けそうだったので、片桐さんとあきら君のことを考えたりしていた。