ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「まずは自己紹介でもする?」
学校から駅までは10分くらい。
ゆっくり歩きながら話した。
「俺は、米田航太郎。33歳」
「岡山優海です」
思っていたよりも年上だった。
結構童顔で、髪はくせ毛の短髪。
片桐さんもあきら君もサラサラストレートだから、妙に髪に目が行ってしまう。
ケーキ屋で、ケーキを食べ、コーヒーを飲む。
自分の店以外でこうしてゆっくりお茶するのって久しぶり。
最近は、全然こういう時間がなかったな。
「いきなり声かけてびっくりしただろ?ごめんね」
「いえいえ。いつもひとりだったんで、ありがたかったです」
米田航太郎【ヨネダコウタロウ】
この人と一緒にいるのに、私は片桐さんとの違いばかり探している。
せっかくの出会いなのにね。
「最初に言っておくけど、俺はバツイチで、恋愛とか結婚とかもううんざりって思ってるから、岡山さんのこともそういう目では見ていないから安心してね」
「あ、はい!わかりました。安心します」
と言ってから、失礼なことを言ってしまったかなと思ったけど、米田さんは何も気にせずに話し始めた。