ハニートースト ~カフェで恋したあなた~





「岡山さんも夢あるの?」




私は自分の家がカフェを経営していることや、将来店を継ぎたいと思っていることなどを話した。



米田さんは、とても話しやすい人で・・・・・・

ついつい今まで誰にも話したことのないような話までしてしまっていた。



中学で母が亡くなったことや、ずっと片思いを続けていることまで。





「なんだか、初めて会った気がしないな。昔から友達だった気がするよ」




米田さんはそう言って、無邪気な顔で笑った。



私も同じことを思っていた。




なんだろう、この感じ。



女友達とも、こんなにすぐに親しくなれない。



今日初めて話したのに、ずっと昔から知っている人のようだった。




お兄ちゃんみたいな。


片桐さんとは違う。




ドキドキなんて感情はそこにはなくて。




安心できて、心が穏やかになる。




こんな男の人に出会ったのは初めてだった。







「じゃ、またケーキ食おうな」




「ごちそうさまでした!!それじゃあ」




ケーキをおごってもらい、すぐに別れた。







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