ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「ただの勉強仲間だもん」
「違うね、それは。警戒心を持たせないように近付いて来て、最後にパクっと食べられちゃうよ」
「えっ!食べるの?私を?」
「あんた、ほんとバカだね。食べるって本気で食べると思ってんの?エッチに誘われるよって言ってんの」
私は、絶対にそんなことはないって笑って答えた。
自信がある。
あきら君が私を好きかもしれないと言われた時は、なかなか反論できなかったけど、今回は違う。
米田さんはそういうんじゃないの。
家族にも似た心地良い空気を持ってるんだ。
一緒にいて落ち着くの。
だから、これは絶対に恋じゃない。
「ドキドキとか全然ないし、米田さんの前でならおならだってできちゃうもん」
そう言った後、康子が固まった。
「何?康子」
「それ・・・・・・ヤバいよ。それって、一緒にいてものすごく安らぐってことじゃない?」
「そうだけど。それが何?」
「空気みたいな存在ってことでしょ?優海にはわからないかもしれないけど、そういう愛もあるんだよ」
康子に変なことを言われてしまったから、これからは米田さんの話はしないようにしようと決めた。
なんだか汚されたくなかった。この素敵な関係を。