ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「あきら君、優しいね。美琴ちゃん幸せだね」
「それはどーかな」
そう言って、フ~っと息を夜空に吐いた。
「それより、お前勉強してんだって?マスターから聞いたけど」
「そうなんだ。あきら君も片桐さんも遠い人になっちゃったから、何か始めようと思って」
「何だよ、それ。俺は関係ないだろ」
関係あるんだよ、と言いたかったけどまた怒られるからやめた。
「そこで彼氏とか作るなよ」
一瞬、航太郎さんの顔が浮かんだ。
「何だよ。何かあるのか?正直に言え!!」
肩をガシっと掴まれて左右に振られた。
こういうスキンシップも久しぶりだな。
「何もないよ。ないけど、男のお友達ができた」
「はぁ?何それ」
あきら君に、航太郎さんのことを少し話してみた。
康子はあんなことを言ったけど、あきら君はどう思うんだろう。