ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「よっ!久しぶりぃ~」
運転席から顔を出す片桐さん。
髪が伸びて、ひげも生えてて・・・・・・
「うん。久しぶり!本当に来てくれたんだ」
「来るよ、そりゃ。俺、約束守る男だから。ドライブでもしねーか?」
私は助手席に座り、深呼吸をした。
「な~に、緊張してんだよっ」
よく考えると、好きだと言ってから初めて会うんだよね。
「緊張なんてしてないもん」
「嘘だ~、手、冷たいじゃん。緊張してる」
手を触られた。
一瞬だったけど、超嬉しい!!!!
「あきらにどうやってビーム送ってもらったの?」
とまた爆笑しながら聞いてくる。
どうやら、そういう言い方はあまりしないらしい。
「で、あきらに会ったんだ?」
「そうなの。バイトの帰りに偶然」
別に言い訳する関係じゃないのに、偶然だなんて言ってしまった。
「マスターに聞いたよ。バイトでは全く会わなくなったって」
「そうなの。美琴ちゃんっていうバイトの子とラブラブみたいで。ずっと一緒に入ってるんだ」
「そうなんだ。妬けるだろ」
今日の片桐さんは何かいつもと違う。
私はあきら君のこと、別に好きじゃないのに。