ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「勉強も頑張ってるか?なかなか店に顔出せなくて・・・・・・ずっと気になってたんだよ。だから、今日メールもらって、嬉しかったよ」
あきら君のおかげだ。
勇気を出して本当に良かった。
「実は、メールアドレスも電話番号もマスターから教えてもらってたんだよ。結構前に・・・・・・でも、なかなか俺からは連絡しづらくて」
「え?お父さん?え?嘘?」
「怒らないでくれよ。康子ちゃんが飲んだくれた日あったじゃん。あの後に、また何かあった時に助けてやってくれって教えてもらったんだ」
お父さんたら、一言も言わなかった。
でも、私にも言ってたよね。
片桐さんの連絡先教えようかって。
実はこっそり、私の恋を応援してくれてたりして。
「今日は車だから、これでいい?」
片桐さんは後部座席に手を伸ばして、缶コーヒーを私のひざに乗せた。
まだほんのり温かい。
片桐さんは車を停めた。
シーンと静まり返る車内に、私の心臓の音が響きそう。
慌てて、喋り出す私。
「仕事、楽しい?」
「ん?ああ。睡眠不足だけど、やりがいはある。やりたいことができるって幸せだなって、思う」
私の大好きなキラキラした瞳。
「明日仕事ないから、今日は誰かと話したい気分だったんだ」
今日メールして正解だった。
毎日メールしようかどうか迷っていた。