ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「俺の勝手だけど、今日は夜中まで付き合ってくれよ」
「私も明日、予定ないから大丈夫」
片桐さんと夜中まで一緒にいられるなんて。
幸せ。
やっぱり、大好き。
大好きだよ。片桐さん。
「髪伸びたね。大学生の頃みたい」
「そうだろ。俺も自分で思った。だから、ちょっと大学時代とは変えようと思ってひげを伸ばしてみた」
「ひげは、初めて見た!!似合うね」
ひげを伸ばしてる男性って、どこか近寄りがたいイメージがあって苦手だった。
でも、片桐さんのひげ、めちゃめちゃかっこよくて、すっごく好み!!
「良かった。まだ伸ばして1週間なんだよ。誰からも何も言われなくて、実は気にしてた。はっはっは」
大きな口で笑う。
この顔も好き。
「今日は、すっげー仕事疲れたんだけど、お前のメール見た瞬間、大爆笑だよ。本当にいつもお前には癒されるよ」
「私は真剣だったのに」
でも、癒されるって言ってもらえるなら、自分の天然バカな所も悪くないね。
それから、車の中で、片桐さんの新しい仕事の話や、私の学校の話をした。
航太郎さんに感じていたあの安心感や、心地良さは何だったんだろうと思った。
全然比べ物にならなかった。
やっぱり、私は片桐さんと一緒にいたい。
ドキドキするけど、ホッとできるこの空間がたまらなく好き。