ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「どぉ~したの?優海ちゃん。緊張してんの?」
固まる私の頭をガッシと掴む片桐さん。
「高級マンションだから緊張しちゃった」
「高級じゃねーよ。普通だって。あれ、ケーキ持って来てくれたの?悪いな、サンキュ」
私の手に持っていたケーキをさりげなく持ってくれた。
今、指と指が当たった。
片桐さん、私のこと・・・・・・いつになったら大人として見てくれるんだろう。
「今日はいつものおだんご頭じゃねーんだな」
片桐さんは、もう一度私の頭を掴む。
気付いてくれた。
嬉しい!!
「うわ~!片桐さんって綺麗好きなんっすね」
大声ではしゃぐあきら君。
「必死で片付けたんだよ。普段は汚いよ」
「嘘だぁ。彼女らしき人が片付けてくれるんでしょ?」
私、最近・・・・・・おかしいよね。
こんなこと言うなんて。
「な~に、言ってんの?優海ちゃん。もしかして、妬いてんの?」
「ま、まさか!そんなはずないでしょ!!」
あきら君は、ニヤニヤしながらこっちを見ていた。
片桐さんはきっと鈍感だ。
私の気持ちには気付いていない。
あきら君が言うには、普通の男ならすぐ気付くはずなんだって。
それくらい私ってわかりやすいみたい。