ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「ねぇ・・・・・・また、時々メールしてもいい?」
「もちろん。俺からもするし」
本当は、みゆきさんのことを切り出したかった。
メールしても彼女に怒られないの?って聞きたかったけど、嫉妬しているみたいで聞けなかった。
好きだって言ってなかったら聞けたと思う。
「彼氏、できた?」
先に片桐さんから聞いてくれた。
「うん。100人くらい」
「はいはい。まだ彼氏いねーんだな」
「いるもん」
「はいはい」
何度かこんなやり取りとして、最後に頭を撫でられた。
撫でられるともう何も言えない。
「かた、ぎり・・・・・・さんは?」
しどろもどろ・・・・・・
声が震えちゃいそうだった。
「俺?200人くらいいる」
「嘘ばっかり」
「じゃあ300人」
「嘘つき~」
片桐さんの真似をして。
片桐さんの頭に触れた。
撫でた。
柔らかい髪。
「ふふ。いないです」
片桐さんはにっこり笑ってそう答えた。