ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「どうしたんだよ。何?片桐さんに襲われたか?」
「ううん・・・・・・あのね・・・・・・」
思い出すと悔しくて悲しくて、うまく話せなかった。
泣いていることに気付いたお父さんが、私の方を見た。
「今、暇だから10分くらい出かけてきていいよ」
お父さんはそう言って、大きな壁掛け時計を見た。
私とあきら君は、店の近くの公園に行った。
公園には小学生くらいの男の子がたくさんいて、私達にも気付かずに遊んでいた。
「前に話したことがあるんだけど覚えてるかな。米田さんって人」
「あぁ?あの同じ学校の男?恋愛とか興味ないって言ってたヤツだろ?」
「うん。あの人にね・・・・・・」
と言おうとしたら、あきら君がものすごい勢いで私の腕を掴んだ。
「まさか、お前っ!!」
「あきら・・・・・・君?」
「何か、されたのか!!」
本当に優しいね、あきら君。
私に何かあったのかと心配してくれたんだ。
真剣な表情のあきら君を見ていると、男の人にもいろいろいるんだと思った。