ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「エロ本はちゃ~んと隠したからな。安心しろ」
ちょっ!!
耳元でそんな甘い声、出さないでください!!
鼻血出ちゃうよぉ。
「もうっ!!」
恥ずかしくて片桐さんの肩をぐいっと押した。
強い力で押したつもりだったのに、片桐さんはびくともしなかった。
やっぱり、男の人なんだな。
力強いんだろうな。
大人の男の人って、やっぱり憧れちゃう。
片桐さんは、コーヒーを入れに立ちあがる。
「なー!あきらって、なんで彼女作らねーの?」
キッチンから顔を出す片桐さん。
「俺っすか?別に作らないわけじゃないんですけど、今はたまたまいないだけです。寄ってくる女はたくさんいますけど」
何、その自信満々な!
「だろうな。あきらはモテそうだから」
片桐さんは、私に同意を求めたけど私は首を振った。
「口悪いし、エロいし、バカですよ。あきら君は」
そう言ってから、少し反省した。
なんだかんだ言って、あきら君は優しいもんね。
今日だって、私の為に一緒に来てくれたんだし。