ハニートースト ~カフェで恋したあなた~





「・・・・・・好きとか、そんなんじゃない」




小さな声でそう答えるのが精一杯だった。



航太郎さんとのことをそれ以上話す気にはなれなかった。




もしかしたら、片桐さんはあきら君みたいに怒ってくれないかもしれない。




“エッチしてみれば?”なんて言われたら私は一生立ち直れない。







「告白されたとか?」




片桐さんは、今度は真剣な顔でそう訊いた。






「違う・・・・・・もういい」





涙が溢れそうだったから、立ち上がってブランコの方へ歩いた。







片桐さんのバカ。




一瞬、期待しちゃったじゃない。




やきもちやいてくれたのかなって嬉しかったのに。




バカバカバカ。















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