ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
1
私はカフェ店員
-私はカフェ店員-
「アイスミルクティーとカプチーノのバニラ風味・・・・・・それと、ハニートーストアイス多めで」
今日も忙しい。
10月も終わりに近づいている。
店の中にはかぼちゃが溢れている。
うん、そう。
ハロウィン気分。
純日本風な喫茶店だったこの店を、オシャレなヨーロピアン風のカフェに改造して1年が経つ。
客層もずいぶん変わった。
「抹茶ラテの生クリーム乗せ、お願いします」
メニューもオシャレになり。
「あ、ハニートーストにシナモンと抹茶アイス乗っけてもらえる?」
こんな無理な注文も・・・・・・
「はい!大丈夫です」
快くOKする。
マスターの考え方は、お客さんの要望にはできる限り応える、だから、それに従うしかない。
他の店にはできないサービスをしたいんだ、と熱く語るマスターに、私を含めバイトのみんなは感動しちゃったりしたんだけど。
「おい、抹茶アイスもっと乗せてやれ」
お客さんからすれば、最高のマスターだと思うんだけどね。
「は~い」
私は軽くあくびをしながら答える。
「何だ、そのけだるい返事は」
「はいはい」
「返事は1度だろ」
このマスター。
実は、私の・・・・・・父なんです。