ハニートースト ~カフェで恋したあなた~






「私で良かったらいつでも話して。夜中でもいつでもいいから。今までいつも片桐さんに助けてもらってきたから、これからは私が片桐さんを助けたいの」




本心だった。



片桐さんの彼女じゃなくてもいい。



片桐さんが辛い時、そばにいたいと心から思った。






「俺、信じちゃうよ?真夜中に呼び出してもいいの?」




「いいよ。ひとりで悩まないでね」




「ありがとな。でも、なんで俺が励まされてんだ?今日は優海が辛かったはずなのに」




そうだね。


不思議。




片桐さんに聞いてもらったら、もうどうでもよくなった。






「その男とこれからも学校で会うんだよな?」




「うん。できるだけ曜日を変えるけど、時々は会っちゃうと思う」




「そっか。そうだよな。心配だな・・・・・・俺が思うに、その人ってお前のこと好きなんだと思う。体目当てで近付いたわけじゃない。そんな気がする」





片桐さんは優しい人だ。

だから、そんなことを考える。




「そんなことないよ。絶対。エッチする相手が欲しかっただけだよ」



「そうかな。それなら、お前に声かけねーと思わね?」





片桐さんはそう言ってから、ごめんごめんと謝った。




でも、確かにそうだよね。



女の人は他にもいる。


もっと遊んでそうな人とか、派手な人や美人な人もいる。



どうして、私に・・・・・・近付いたんだろう。





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