ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「本当は二度とその男とは話して欲しくない。でも、お前の為にもちゃんともう一回話した方が良い気がするんだ。お前にとっては、大事な友達だったんだろ?」
やっぱり片桐さんが好き。
顔とか外見的にも好きだけど、こういう優しさ、ピュアな所、大好き。
私の心の奥の奥の気持ちをわかってくれているようだった。
「怖いけど・・・・・・私もこのままじゃいやだった。話さなきゃって・・・・・・思ってた」
また友達に戻るのは無理かもしれないけど、このまま気まずい状態はいや。
挨拶くらいできる関係になれるといいな。
航太郎さんの心の中はわからないけど、この数カ月私にとっては、とても大事な存在だった。
「お前、ひとりで大丈夫か?俺、こっそりついていってもいいよ」
「ありがとう!でも大丈夫。私の気持ち、ちゃんと伝えたいの。本当に素敵な友達だって思ってたこと。それと・・・・・・傷付いたってことも言いたい」
「だな。それはちゃんと言わなきゃ。しかし、優海は大人になったな」
片桐さんは、月を見上げて大きく息を吐いた。
この月も、きっとずっと忘れない。
今日の日のこと、絶対忘れない。
信じていた人に裏切られて悲しかったけど、それ以上の優しさをもらった。
あきら君と片桐さんに。