ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「男の人ってやっぱりいいね」
私の口から自然にそんな言葉が出た。
今日の昼までは男の人なんて汚い!って思ってたのにね。
「男の人っていうか、俺・・・・・・だろ?」
とまた思わせぶりなことを言って、片桐さんは爽やかに笑った。
「今日は俺に声かけてくれてありがとな。これからも、困った時は一番に俺に言え!わかったか?」
肩に手を乗せて、私の顔を覗き込んだ。
この上目使いの表情、すごく好きなんだぁ~。
かわいい。
「ありがとう!!話聞いてもらえて嬉しかった。もう元気だから安心してね」
「おう。その笑顔見たら安心したよ。来週は時間できると思うから店に顔出すな」
「やった~!!絶対来てね」
私と片桐さんだけの素敵な時間。
こんな風に時々で良いから、ふたりきりで会いたい。
それは、贅沢なのかな?
「おやすみ、優海」
「おやすみなさい」
好きな人からおやすみを言ってもらえるって本当に幸せ。
その日の最後に、好きな人の顔が見られるって幸せ。
眠る前に思い出すのは片桐さんのことだけ・・・・・・
片桐さんのことが何倍も何倍も好きになった夜だった。