ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
5

本当の気持ち




-本当の気持ち-





何度か学校に行ったけど、航太郎さんには会えなかった。



きっと、航太郎さんが避けているんだろう。







あれから1週間が経った。





私と航太郎さんが一緒にいるのが当たり前のようになっていたので、他の生徒さんから、航太郎さんのことを聞かれたりした。





どの曜日にも顔を出していないようだった。






私と航太郎さんは今も、お互いの連絡先を知らない。




このまま、もう会えないのかもしれない。





私よりも、航太郎さんの方が傷付いていたりして・・・・・・



と思ったけど、あんなひどいことを言ったのは航太郎さんだし、私は悪くないもんね。






「お、やっと来たな。君の相棒が」




最近少し話すようになったお父さんくらいの年齢のおじさんが私に声をかけた。



振り向くとそこには、航太郎さんが立っていた。



少し引きつった笑顔の航太郎さんが、私の斜め後ろの席に腰掛けた。






「こっちに座ったら?いつもの席に」




おじさんが航太郎さんにそう言った。





私も航太郎さんも気まずい感じになって、一瞬目を合わせたけどすぐにそらす。





「あ、そうですね」



と航太郎さんはおじさんに会釈をして、私の隣に座った。






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