ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「一緒にいるうちに、だんだん・・・・・・このままの関係では満足できないと思うようになった。もっと仲良くなりたいと思ったし、優海さんの好きな男の人のことが気になるようになった」
いつから・・・・・・?
そんな感情を抱いていたなんて。
「いつからか、俺は優海さんのことを好きになってしまっていた。自分でもそんなつもりじゃなかったから戸惑った。だから・・・・・・言えなかった。素直に、好きですなんて言えなくて・・・・・・」
私は何も言えなかった。
私は気付いていなかった。
あんなにもいろんな話をしていたのに、全く気付いていなかった。
航太郎さんが私を好きだったなんて。
辛い想いをずっとしてきたんだ・・・・・・
「だから、あんなことを言ってしまった。君があんな誘いにOKを出すはずがないってわかってたのに。俺達の関係を変えたかった。でも、間違ってたね・・・・・・」
「ごめんなさい。私、航太郎さんの気持ちも知らないで」
「良いんだ。俺は必死で自分の気持ちを隠していたから気付かなくて当然だ。優海さんを失いたくないから、友達のフリをしていた」
あきら君のことを思い出した。
私はあきら君の気持ちにも気付かなかった。
私、知らない間にいろんな人を傷付けているかもしれない。