ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「すまない」
「良かったです。本当に体だけの関係を求めていると思ったから、ショックでした。航太郎さんがそんな人じゃなくて良かった・・・・・・」
安心して、少しだけ涙が出た。
航太郎さんはやり方を間違えた。
それだけ。
私のことを、エッチの相手として見ていたわけじゃなかった。
私のことを、好きになってくれたんだ。
帰り道、今までの航太郎さんとのことを思い返していた。
私は航太郎さんとの時間が好きだった。
同じように航太郎さんもそう感じていてくれたってこと。
私には片桐さんという人がいて、航太郎さんには他に誰もいなかった。
片桐さんがいなかったら、私も航太郎さんを好きになっていたのかな。
航太郎さんとは、これからも会えば話ができる関係になれたと思う。
でも、以前のような関係には戻れない。
きっと、いつになっても。