ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
夜のデート
-夜の遊園地-
「また隼人とデートか?」
お父さんがニヤニヤしながら、鏡越しに声をかけた。
「デートとかじゃないし」
「でも、オシャレしてるじゃないか」
「そんなことないもん」
「最近、よく会ってるんじゃないのか?隼人もようやくお前のかわいさに気付いたか?」
お父さんはそう言って、私の頭にそっと手を乗せた。
こんなことをされるのは何年ぶりだろう。
照れ臭いけど嬉しかった。
お母さんが亡くなってから、頭を撫でられるなんてなかった。
だから、片桐さんに撫でられた時、すごく嬉しかったんだ。
「行ってくるね」
「楽しんできなさい」
私は左手首に香水をシュッと一吹きして、玄関の扉を開けた。
そこに待っているのは・・・・・・
「よお」
大好きな私の王子様、片桐さん。