ハニートースト ~カフェで恋したあなた~





「優海、最近モテんのな・・・・・・心配じゃん」





「今までモテたことないからちょっとどうしていいかわからなくて。片桐さんはずっとモテてきて、大変だったよね。尊敬しちゃう。片桐さん、すごく辛かったんじゃない?」






あきら君の気持ちを知って、胸が痛かった。




航太郎さんの気持ちを知って、また胸が痛かった。




好きではない人に想われるって、とても苦しくて、切なくて・・・・・・申し訳ない気持ちになる。






「またそんなこと言って。どーして、そんなに俺に優しくすんだよっ!」





向かいの席から手を伸ばして、私の頭をツンと突っつく。





「心配だもん。片桐さんのこと」





「俺だって心配だよ、お前のこと」





何・・・・・・


この会話。






「人からは、モテていいなって言われるけど、全然良くねーし。実際、モテて良かったことなんてない。前の会社でだってあんなこと言われるし、中学時代だって先輩に殴れたし・・・・・・」




中学時代の片桐さん、きっとすごくかっこ良かったんだろうな。




会ってみたかった。







「誰にもこんなこと言えなかったけど、お前になら言える。お前の前だと、裸になれるっつーか・・・・・・そのままの俺でいられるんだよな」





「え?裸??」





「ば~か!!何でも話せるって意味だよ」








突然・・・・・・



抱きしめられた。






観覧車はもうてっぺんを過ぎて、終わりに近付いていた。







片桐さん?



どうしたの?







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