ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「あれ?今日お前いるの?」
仕込みをしている私の背後から聞き慣れた声。
「あ!!あきら君!!」
「優がいるなんて聞いてねーぞ?」
「今日は、新作の作り方を教えるために来ただけなんだけど・・・・・・今日あきら君じゃないよね?」
「おー。美琴が風邪引いたって言うから代わりに俺!」
あきら君は美琴ちゃんをとても大事にしているように見える。
本当に好きになれたんだね。
「新作、片桐さん食いに来たのか?」
「まだなの・・・・・・会いたいな」
「はいはい。そんなトロンとした顔で俺を見るな、バカ!」
と背中を叩かれる。
「で、進展したのか?抱かれたか?」
いつもなら、そんなわけないでしょ!って怒るけど、今日は言い返せなかった。
「あのね・・・・・・相談したいんだけど」
「何だよっ!!まさか、本当に抱かれたんじゃねーだろうな」
「抱かれてはないけど・・・・・・抱きしめられたの」
私は、この前の観覧車での出来事をあきら君に話した。
口止め料として、新作のラテをおごってあげた。