ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「優海、買い出し行って来てくれるか?いちごがなくなりそうだ」
お父さんが私に声をかける。
その声を聞いて、片桐さんが私を見つける。
目が合った。
片桐さんは無言で右手をあげて、ペコっと頭を下げた。
アイコンタクト・・・・・・っていうのかな。
すごく、嬉しかった。
「あきら君、さっき片桐さんと何話してたの?」
私はハニートーストを作るあきら君の後ろからしつこく質問した。
「内緒、内緒~」
とニヤニヤするあきら君。
「教えてよ!」
「別に何も話してねーよ」
「嘘だ!!」
「新作のハニートースト桜アイス乗せがオススメですよって言っただけだよ」
嘘っぽいけど・・・・・・
「それより、マスターに頼まれてただろ?早く買い出し行けよ」
「は~い」
私は、片桐さんのテーブルの横を通り、にこっと微笑んでから店を出た。