ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「ま、そんなとこかな」
「片桐さんらしくないっすね。別れた女を引きずるとか」
「そうか?俺ってどんな男に見られてんだよっ!てか、引きずってねーし!!」
片桐さんは、まだ写真を見つめながらあきら君の肩を押す。
「本気、だったんですね。この人だけ」
あきら君が写真を見つめる。
「だけって何だよ。他の彼女は本気じゃねーみたいだろ」
片桐さんは手に持っていた写真を乱暴に引き出しに入れた。
「図星でしょ?片桐さんと知り合ってまだ1年ですけど、そんな気がする」
「失礼だな!俺が遊び人みたいじゃねぇかぁ??」
笑いながら怒る片桐さんは、なぁ?と言って私を見た。
「ふふ。そうだね」
私はあいまいに笑う。
「何だよ!優海ちゃんまで・・・・・・俺ってそんな風に見られてんのか?」
「モテるから仕方ないよね」
とフォローしてみた。
あきら君が、呟くように言った。
「片桐さん、あんまり幸せそうじゃなかったもん。ずっと・・・・・・ 前の彼女のことも好きそうじゃなかった。俺にはそう見えました」
「すげーな。あきらは。よくわかってんじゃん」
片桐さんは、手を伸ばして、あきら君の頭をよしよしした。