ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「なぁ、優?」
「何?」
片桐さんが帰ったと知って、急にテンションが下がってしまった私。
「俺、やっぱりお前が好きだ!」
「へ?何、何よ?冗談でしょ?」
「冗談じゃねーよ。やっぱり、俺はお前が・・・・・・」
綺麗な桜の花びらの舞い散る中で、あきら君に抱きしめられた。
力強くて、振り解けない。
片桐さんに抱きしめられたあの感触とは違う。
強引で、ちょっと怖いくらい・・・・・・
「どうしたの?あきら君・・・・・・」
「いいから、黙ってろ!」
あきら君は小さな声でそう言って、私をもっと強く抱きしめた。
「優海っ!!」
背後から聞こえた声は・・・・・・
間違いなく片桐さん。
いやだ・・・・・・
誤解されたくない。
私は必死であきら君の腕を振り解こうと抵抗するけど、全然あきら君は離してくれなくて。
「何やってんだよ。嫌がってるだろ!」
片桐さんが・・・・・・
あきら君の体を引っ張って、あきら君は地面に倒れた。