ハニートースト ~カフェで恋したあなた~




「片桐さん、あんたはずるいよ。いつもそうやって優のこと助けて、かっこいいとこばっか持っていって。そんなに大事なら、片桐さんが守ってやれよ」




「あきら・・・・・・お前、まだ優海のこと・・・・・・好きなのか」




「片桐さんがいらねーなら、俺がもらう。俺が優のこと、幸せにする」






あきら君は、目に涙をためてそう言って・・・・・・



私は何が何だかわからないけど、涙が出てくる。



また・・・・・・ふたりがケンカをしてる。



私のせいで・・・・・・






あきら君は、走ってその場から立ち去った。



あきら君、まだ私のこと好きだったの?







ぎゅっと右手を握りしめた片桐さんが、あきら君の方を見ていた。




私は、その場にしゃがみこんでしまった。





「片桐さん・・・・・・ごめんなさい」



「お前が謝ることじゃない・・・・・・」




まだあきら君の背中を見つめたまま片桐さんはそう言った。






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