ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
おでことおでこをくっつけて、目を合わす。
「あきらのおかげで自分の気持ちに気付いた」
あきら君は、片桐さんに気付かせる為にあんなことをしたのかな。
演技だとは思えない迫力だったけど・・・・・・
「あきらの気持ち聞いて、揺れたか?」
片桐さんはいじわるっぽい笑みを浮かべた。
揺れるはずがない。
私の気持ちは、揺れたりしない。
「片桐さんのことしか好きじゃないもん」
「本当か?学校の男も、あきらも・・・・・・心配だな」
「大丈夫だよ。あきら君は、多分演技だと思うよ。片桐さんと私を進展させる為に協力してやるって言ってたから」
急に思いついた作戦だとしたら、あきら君は天才だと思う。
こんなに、急に・・・・・・進展しちゃった。
「あきら・・・・・・あれ、本音じゃないかな。俺にはわかる。アイツ、泣きそうな顔してた。やっぱり優海のこと忘れられないんじゃないかな」
「そんなことない。美琴ちゃんとうまく行ってるみたいだもん」
「あきらが安心できるように、ちゃんとお前のこと愛していくから」
愛していく・・・・・・って・・・・・・
そんな・・・・・・
片桐さん、そんなこと言えちゃうんだ。
「何、赤くなってんだーよっ!!」
と頭を叩かれて、そのまま抱きしめられた。