ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「そんな困った顔すんなよ。嘘だよ」
片桐さんは、夜景の見える場所に車を停めた。
「俺のこと、野獣だと思ってんの?怖がらなくていいから」
車の中で手を握られた。
「怖がって・・・・・・ないよ」
「怖がってる。いつもの優海じゃないだろ。安心しろって。俺は俺だよ」
そっと、優しく抱きしめてくれた。
不思議。
この温もり、この鼓動・・・・・・
安心する。
「俺、昨日ちゃんと話せなかったから、今日はゆっくり話したかったんだ」
私、バカだ。
勝手にひとりで妄想して、バカみたい。
片桐さんはそんな人じゃないのに。
「俺、すっげー幸せなんだよ。今」
「私も」
「お前より俺の方が幸せだと思う。俺、自分の気持ちにずっと気付いてなくて、昨日やっと気付いた。それが嬉しくて・・・・・・こんなにも優海のこと好きだったんだーって思ってさ」