ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
6
ふたりの間で揺れる心
―ふたりの間で揺れる心―
夢を見た。
片桐さんとあきら君が殴り合いのケンカをしていた。
私はそれを止めることもできずに、ただただ見守っていて・・・・・・
夢の中で泣いていた。
何が原因でケンカをしたのか、ふたりが何を言い合っているのかはわからなかった。
「はぁ・・・・・・夢か」
目覚めた私は、しばらくベッドから起き上がれなかった。
自分の心の中の揺れを感じていた。
片桐さんの彼女になってから1週間が過ぎた。
仕事が忙しくてあれから会っていない。
そのせいか・・・・・・
あきら君の夢をよく見る。
あんなにも大好きだった片桐さんと両思いになれたのに、心の中にはあきら君が存在していて。
それも、前よりも大きく・・・・・・
美琴ちゃんの手紙を何度も読み返して、そのたびに胸が苦しくなった。
あきら君の愛の大きさ。
あきら君は今までどんな想いで私を応援してくれていたんだろうって・・・・・・
演技だって言ってたけど、あの涙は本物のような気がして・・・・・・
2人を選ぶことなんてできないってわかってるけど、もしも自分がもう一人いれば・・・・・・
あきら君を抱きしめてあげたい、なんて思ってしまった。
どうしちゃったんだろう。