ハニートースト ~カフェで恋したあなた~





「付き合えたのはあきら君のおかげなの」





「そうだよ。それなのに、恩返しもできないしって想いがあるんじゃないの?」





「うん。何かお返ししたいけど、私はもう何もできないししちゃいけない気がする」





美琴ちゃんの手紙を思い出す。



もう私はあきら君に会ってはいけないと思うんだ。






「あきらの彼女は賢いね。恨み事を書くわけでもなく、そういう手紙を書いて来られると、余計にあんたは距離を置くしかないもんね」




「もう邪魔したくないもん。だけど・・・・・・会えなくなるのは寂しい」






私って性格悪い。



悪女?




大好きな人の彼女になれたのに・・・・・・



何をぜいたくなことで悩んでいるんだろう。




それに、美琴ちゃんのことを考えたら、あきら君に頼るのは間違ってる。


あきら君にとっても、その方が良いのに。





「そのうち、時間が解決してくれるよ。考えてみなよ。片桐さんが別の人と結婚しちゃったとしたらどうする?」




「そんなの絶対にイヤ!!」




「でしょ?ずっと夢見てきたことが現実になったんだから、それ以上の幸せはないんだよ」






夢見ていた時間が長すぎて、この現実を受け止めるのに時間がかかる。





片桐さんがそんなにも私を好きになってくれたなんて・・・・・・いまだに信じられないんだよね。





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