ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「あきら君、私・・・・・・」
「片桐さんと付き合えたんだぞ?何、落ち込んだ顔してんだよ。幸せなはずだろ?」
あきら君は、私の顔を覗き込んで、髪の毛を手でぐしゃぐしゃにした。
こういうところ、片桐さんに似てる。
「幸せじゃないなら・・・・・・俺んとこ来いよ。俺は、やっぱりまだお前が好きみたい」
俺んとこ来いよ・・・・・・
あきら君から、そんなことを言われるなんて。
今まで絶対にそんなこと言わなかった。
もっと早くあきら君がそう言ってくれていたら、私は・・・・・・
あきら君の胸に飛び込んだのかな。
「嘘だよ。お前が好きなのは片桐さんなんだから、俺といても幸せになれない」
「わからないの。どうしたらいいのか」
「何がどうわかんないんだよ。片桐さんに何か不満でもあんのか?」
不満なんてない。
片桐さんは最高の彼氏で・・・・・・
すごく愛してくれて、大事にしてくれて。
わからないのは、私の気持ち。
あきら君への気持ち。
片桐さんのことは今まで以上に大好きなのに、あきら君のことが頭から離れない。
同時にふたりを好きになるなんて想像もできなかったけど、もしかしたら・・・・・・