ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「ありがとう。そうかな。妹みたいな存在だとしても、代わりがいないなら嬉しい!」
「そうだろ?ほら、お前の良い所はそういう素直なとこだよっ!それと明るい笑顔だろ」
あきら君は、そう言うと、早足にどんどん先を歩いた。
今日は、本当に良かった。
片桐さんのことも少しわかった気がするし、あきら君の良い所も発見できたし、ね。
「ほんと~に、ありがとね!!今日は!!」
駅前であきら君に手を振った。
「はいはい。んじゃ、また明日な」
「うん!!ありがとう!」
片桐さんのことを何も知らない自分に気付いて、落ち込んでしまったけど、あきら君の言うように、このままじゃだめだ。
片桐さんは王子様じゃない。
片桐さんの知らない所がたくさんある。
それを少しずつ知っていって、あきら君が言ってくれたように“代わりのいない存在”になりたい。
今は妹かもしれないけど、それがいつか“彼女”になれるように。