ハニートースト ~カフェで恋したあなた~





頭の中が真っ白になった。




私は、今・・・・・・幸せじゃないの?



大好きな片桐さんと付き合えて、ものすごく幸せなはず。




うん。


幸せ。




あきら君に幸せにしてもらいたいなんて思ってない。




どういう気持ちなのかわからないけど、あきら君は特別な存在で。



あきら君に幸せにして欲しいんじゃなくて、あきら君を幸せにしたいって・・・・・・
そんな風に思うんだ。





「何、黙ってんだよ」



「わからないの。私は、片桐さんが大好きだし、毎日幸せで・・・・・・」



「で?」



「うん。それなのに、あきら君のこと、考えてしまう時があってね。あきら君はどういう気持ちでずっと私を応援してくれていたんだろうとか、あきら君は辛くなかったのかなとか」





あきら君は眉間にしわを寄せながらも、優しい表情をしていた。




私は、うまく言葉にできなくて、しどろもどろになりながら伝えた。





「美琴ちゃんと幸せになって欲しいって思うの。でも、もう会えないと思うとすごく寂しくなって。だからって、私はあきら君のことを好きじゃないと思うし・・・・・・」




「好きじゃないと思う?それって、好きなんじゃない?」




あきら君は、冗談っぽくそう言った後、真剣な表情で顔を近付けた。





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