ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
あきら君の優しいキス。
その瞬間、頭の中に浮かんだのは、片桐さんだった。
片桐さんとのキスを思い出した。
片桐さんの言葉を思い出した。
“俺はキスしていい?なんて聞かないから”
“キスしたいと思ったらお前からしてこい”
片桐さんの声が聞こえるようだった。
あきら君と唇が離れた瞬間、涙は溢れ出して、その場にしゃがみ込んで大声で泣いてしまった。
私は、何という罪を犯してしまったんだろう。
私は・・・・・・
あきら君も美琴ちゃんも、
片桐さんも傷付けた。
私が好きなのは
片桐さんだ。
片桐さんだけだ。
ごめんなさい。
片桐さん。
ごめんなさい。
あきら君。
本当にごめんなさい。