ハニートースト ~カフェで恋したあなた~






私が泣いている間、あきら君は何も言わずにそばにいてくれた。





「ごめ・・・・・・ん、なさい・・・・・・」




「もういいから。世話の焼けるバカだな。ほんとに・・・・・・」





あきら君は優しく私の肩を抱いてくれた。





「やっとわかったのか?自分の本当の気持ち。優が好きなのは片桐さんに決まってるだろ?何年想い続けてきたんだよ。中学の頃からずっと好きだったんだろ。バカだな」




「ごめんなさ・・・・・・」




「謝らなくていい。お前は純粋過ぎるから・・・・・・だから、俺への気持ちを恋と勘違いした。お前にとって、俺みたいな存在も今までいなかったんだろ」





「うん・・・・・・」





「別に俺はどこへも行かない。バイトで会えるし、相談があればいつでも乗る。わかったか?」





「うん。でも、それじゃあきら君が・・・・・・」





あきら君が幸せになれない。



あきら君が・・・・・・






「俺は、もう吹っ切れた。優とキスをして・・・・・・吹っ切れた。もう本当に終わりにする。なんか、お前とキスした時に、美琴の泣き顔が浮かんだんだよな。今からアイツんとこ行って、やり直そうって言おうかな」






あきら君は、照れ臭そうにそう言って、頭をポリポリとかいた。





それもあきら君の気遣いなのかもしれないけど、本当にやり直してくれるなら・・・・・・


やり直して欲しい。




自分のせいでこうなったのに、そんなことを思うのはおかしいけど。






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