ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
あきら君、本当にごめんなさい。
あきら君に、あんなことまで言わせてしまった。
“俺が幸せにしてやる”なんて。
キスをして気付くなんて、バカだ。
「片桐さんと結婚するのが夢だったんだろ?迷って、どうすんだ?」
立ち上がったあきら君は、そう言って私の頭に両手を乗せた。
「もう俺は優のことを好きにならない。だから、俺のことは友達として見ろ。友達として見れないならもう俺には会わない方が良いから」
「友達・・・・・・になってくれるの?」
「当たり前じゃん。さっきのキスは最初で最後のキス。もう二度としない。約束な!!」
あきら君ほど、優しい人はいないかもしれない。
自分のことよりも私のことを考えてくれて・・・・・・
「ありがとう」
「手放すんじゃねーぞ。片桐さんのこと!!」
あきら君と握手をして別れた。
もう私から連絡することはない。
電話もしない。
頼らない。
今まで本当にありがとう。