ハニートースト ~カフェで恋したあなた~






あきら君、本当にごめんなさい。




あきら君に、あんなことまで言わせてしまった。





“俺が幸せにしてやる”なんて。


キスをして気付くなんて、バカだ。






「片桐さんと結婚するのが夢だったんだろ?迷って、どうすんだ?」





立ち上がったあきら君は、そう言って私の頭に両手を乗せた。






「もう俺は優のことを好きにならない。だから、俺のことは友達として見ろ。友達として見れないならもう俺には会わない方が良いから」




「友達・・・・・・になってくれるの?」




「当たり前じゃん。さっきのキスは最初で最後のキス。もう二度としない。約束な!!」





あきら君ほど、優しい人はいないかもしれない。




自分のことよりも私のことを考えてくれて・・・・・・






「ありがとう」




「手放すんじゃねーぞ。片桐さんのこと!!」







あきら君と握手をして別れた。





もう私から連絡することはない。




電話もしない。



頼らない。





今まで本当にありがとう。









< 277 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop