ハニートースト ~カフェで恋したあなた~






「優海は俺を選んでくれた。だから、もう不安にならないことにする」




「私も不安にならないようにする。みゆきさんに話してくれてありがとう」





キスをしてくれた。



あきら君とのキスは一生消えない。



でも、あのキスのおかげで、キスをするたびに感じることができる。



片桐さんのことが誰よりも大好きなんだってこと。







「私、片桐さんがこんなにも彼女を大事にするって知らなかったの」




「俺が今まで彼女を大事にしてきたと思う?」




「うん。私のことものすごく大事にしてくれてる」




「俺も・・・・・・驚いてる。自分に」






片桐さんはもう一度キスをして、じっと目を見て言った。







「俺な、こんなに人を好きになったの、初めてかもしれない」





片桐さんからそんなことを言ってもらえるなんて・・・・・・



私は片桐さんが思ってるような女の子じゃない。



自分勝手で鈍感で人を傷つけてしまう・・・・・・







「だから、怖いんだ。俺は優海に嫌われてしまうかもしれない。すっげーウザい彼氏になると思う。束縛しちゃいそうだし、嫉妬もするし・・・・・・優海が好きでいてくれたかっこいい俺じゃなくなる」







片桐さんは心の中をさらけ出すように、真剣に話してくれた。






届く。



心に・・・・・・



ちゃんと届く。






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