ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
手作りのお弁当に挑戦した。
早起きして、本を片手に頑張った。
「うめぇじゃん。なかなかやるな」
「愛情たっぷりだよ」
「じゃあ、ここでキスして」
真昼間の遊園地の芝生で目を閉じる片桐さん。
「それだけは無理――――!!」
「いいよ。どうせお前の愛はそんなもんだ」
「スネないでよ~」
思い描いていた片桐さんとの未来とは違った今がある。
かっこよくて、いつも余裕で、一歩前を歩いていた片桐さん。
今は、違う。
一緒に隣を歩いてる。
かっこ悪くてもいい。
必死になってもいい。
嫉妬しても、スネてもいい。
全部全部片桐さんだから。
「観覧車乗りたいんだろー??」
「乗りたい!!」
あの時、観覧車の中で抱きしめてくれたよね。
どんな気持ちで抱きしめてくれたんだろう。
「ねぇ、教えてよー!片桐さん!どうしてあの時、抱きしめてくれたの?」
「もう忘れた!抱きしめたっけ?俺」
「バカ~!!いきなり抱きしめてくれたんだよ?忘れたの?」