ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
観覧車の中。
もうすぐてっぺん。
急に抱きしめられた。
あの時と同じように。
「忘れるわけねーだろ。あの時・・・・・・自分でもどうしようもなかった。抱きしめたくなったんだ」
「それなのに、好きって気付かなかったの?」
「気付いてたのかもしれないな。どうしていいかわかんなかったんだ」
いろんなことがあった。
夜中のデート。
公園で手を繋いでくれたこともあったね。
月を見ながら、いろんな話をしたね。
まさか、彼女にしてもらえるなんて・・・・・・
「月の絵・・・・・・完成したんだ。これ」
片桐さんが鞄の中から絵を出した。
小さな絵ハガキに書かれた三日月。