ハニートースト ~カフェで恋したあなた~
「じゃ、優海!今度飲みに行こうな」
その笑顔で、その声で、頭をなでるのはやめてください。
ドキドキして、倒れちゃいます・・・・・・
「何、照れてんの?相手、俺だよ?」
だから、照れるんだよぉ。
「ま、彼氏もいねーから呼び捨てされんの緊張すんだろうな。ははははは」
そんなに笑わなくても・・・・・・
「照れてないもん」
「照れてるくせに」
「照れてません!!」
「素直じゃねーな。照れてるんだろ?」
そんなやり取りを繰り返した後、私は仕事に戻る。
「あ、優海!また、何かあれば俺に言えよ。いつまでも俺に頼っていいんだからな」
泣いちゃうくらい嬉しい言葉をくれた。
“いつまでも頼っていい”なんて。
信じちゃうよ?
いつまでも頼っちゃうよ。
いいの?
片桐さん。
片桐さんは新聞片手にコーヒーを飲んでいた。
少し細めた目。
緩めたネクタイ。
咳払い。
全部好き。
優海・・・・・・
呼んでくれた。
好きな人に名前を呼び捨てにされるってこんなにも幸せなんだぁ。